愛知スポ-ツ物理学研究所 佐橋稔雄(サハシ・トシオ) 表題(Title)
まえがき スキ-運動の物理学的研究

1. スキ-運動とは,人(スキ-ヤ-)が2本のスキ-(板)を足に付けて,雪山を上から下へ滑り降りる運動です.そのスキ-が雪の表面をどのように滑り降りているかを,佐橋等が物理学の手法を用いて研究してきました.その結果,でき上がった論文と解説文が,このホ-ム・ペ-ジに乗っております.物理学の手法とは,スキ-運動の観測と解析です.観測とは,スキ-運動の真の姿を見る事です.解析とは,各スキ-運動の中に共通して存在する運動の仕方(法則)を見つけ出す事です.

 このスキ-運動の研究では,スキ-ヤ-の姿は省略され,2本のスキ-の動きのみが表されております.著者は,スキ-運動とは雪上の2本のスキ-の動きであるととらえ,スキ-ヤ-は2本のスキ-の上に乗っている物であるととらえております.2本のスキ-の動きが分れば,スキ-ヤ-の動きが分らなくても,スキ-運動は分るとの立場であります.

 その理由は,「著者のスキ-研究から,スキ-の直線運動,又は曲線運動を決めているのは,スキ-の水平角付け角である事が分ってきた事(参照・ski04)」に依ります.即ち,スキ-が直線滑降をするか,曲線滑降をするかは,スキ-の水平角付け角の大きさに依存しているのです.それでは,スキ-を操作していると思っているスキ-ヤ-の技術的な体の動きとは何を意味するのか.スキ-を操作していると思っているスキ-ヤ-の心は,心の錯覚である事が実験的に分ってきました(参照・解説01).その為,技術的な体の動きは,スキ-ヤ-がスキ-上に安定的に乗る為の体の動きになり,必要な角付け角を作る為の体の動きになります.

 この研究は,2013年(平成25年)で,30年になります.この間に,日本スキ-連盟の指導員,日本選手権メダリスト,のスキ-運動の雪上観測を行いました.更に,日本スキ-連盟指導のスキ-・ビデオのスキ-ヤ-についても,スキ-運動の観測と解析を行ってきました.その結果,各スキ-運動に共通した運動の仕方(法則)が,いくつか見つかりました.近年では,NHK-TV放送・ビデオのオリンピック選手を用いて,何がスキ-競技の勝敗を決めているかを,研究しております.その結果,スキ-速度が,スキ-滑降の仕方に依存している事が分ってきました.更に,金メダルを得た選手のスキ-滑降と,得られなかった選手のスキ-滑降との間の違いが,何に依存するかも少しづつ分るようになってきました.

 具体的な研究内容は,
(1)スキ-滑降の原理です.
(2)スキ-滑降図の描き方です.
(3)スキ-指導者の模範滑降を紙の上に表す事です.
(4)オリンピック・スキ-選手の滑降を紙の上に表す事です.
(5)スキ-競技で,金メダルを取る人と,取れない人の違いが私の研究方法で分るか,です.(1)(2)(3)は原理と基本です.これはほぼ終りました.(4)(5)は応用です.競技スキ-の研究は道半ばです.
 
  論文の分類   論文番号
(1)滑降の原理   19,18,14,13,10,08,07,06,04,02,01.
(2)滑降図の描き方 20,12,03.
(3)指導者の滑降図 17,16,11,09,05.
(4)・(5)オリンピック・選手の滑降図  24,23,22,21,15.
 
2. 原著・研究論文とホ-ム・ペ-ジ
 スキ-運動の原著・論文は,日本語表示,又は英語表示です.その為,このホ-ム・ペ-ジでは,日本語には英語を,英語には日本語を添付する予定です.更に,複数の論文には,解説を付ける予定です.論文表題と論文誌名に関しては,日本語と英語の両表示です.日本語表示の論文でも,多くの場合,論文の抄録は英語表示です.その為,抄録の英語表示を日本語表示に書き改め,論文の表紙上に表示しました.ホ-ム・ペ-ジ上の論文は原著・論文と,ほぼ同じであるように努めました.

 スキ-運動に似た,スノ-・ボ-ド運動が近年盛んになってきました.その研究も少しづつ始めており,このホ-ム・ペ-ジに含まれております.
 いくつかの論文を含めた解説文が,このホ-ム・ペ-ジに含まれております.

 結晶成長の下記論文も,このホ-ム・ペ-ジにあります.
3. 結晶成長の研究

4. 略歴:佐橋稔雄,1937年(昭和12年)3月28日生れ.愛知県,尾北高校.名古屋大学理学部物理学科,大学院修士,博士課程で電子顕微鏡による結晶成長の研究,理学博士.昭和45年大同工業大学電気工学科に奉職.昭和58年にスキ-運動の研究を開始,平成15年退職,大同工業大学名誉教授.この後,愛知スポ-ツ物理学研究所を創設し,スキ-研究を継続し,現在に至る.なお,平成21年に大同工業大学は大同大学に改称.

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